50冊目の本
新年明けましておめでとうございます。
さあ、2019年です。
楽しかった年末年始も終わり、僕は明日から仕事始めです。
(いやだなぁ)
ぶつぶつも言っていられないので、せっせと働くことにします。
●
さて、2018の振り返りもできるところまでやりたい。
前回、前々回は自分のやってきたこと、自分自身について書きました。
今思うと人様に見せるようなものでもないだろうと反省するのですが、人気ブログになるために書いているわけでもあるまいし、たまには書きたいことを書きたいように書くのもいいかなあと思っています。
しかし、大切なことに気づきました。
本は?
本来このブログは「本」を中心に思ったことを書くというものだったはず。
さすがに外れすぎた。修正修正。
というわけで、今回は本についての振り返り。
●
さて、2018の目標。
「本を50冊読む」
なんとかクリアしました。
50冊目を読んだのは大晦日。
思えば一昨年、目標の200冊目を読んでいたのも大晦日。
いつだってギリギリです。
50冊目になにを読むか考えて、だいぶ選びました。
読み終わったあとも、その作品を50冊目に選んでよかったと思っています。
今日はその本について少しご紹介。
●
今更紹介するまでもないでしょうか?
数々の賞を受賞し、常に注目を集める作家、恩田陸さんの代表作です。
舞台は高校最後の学校行事。
全校生徒が一日半、歩き続ける。
ただ歩く。
それだけ。
でも、みなさんの記憶にもあるのではないでしょうか。
修学旅行の夜。友人と、普段はしない真剣な話をする。もしくは、恥ずかしいくらいにくだらないことをして世を明かす。
今思うと、夜一緒にいるというだけでなんであんなに興奮していたんだろうと思いますが、逆に言えば、高校生だから経験できた瑞々しさでしょう。
今やっても、適当に呑んで、つぶれて、寝る。明朝後悔する。
作品に戻りましょう。
高校生が、夜通し歩き続ける。
当然、いろんな話に花が咲きます。
高校三年間を共にした仲間の大切さにも気づきます。人に言えなかった悩みもあります。もちろん恋だってしちゃいます。
枯れかけた僕たちがやろうとしても二度とできないアレです。
高校生の頃の瑞々しさを失った僕たちの心に、潤いを与えてくれる。
青春の甘さを思い出させてくれる。
恩田陸さんは天才です。
●
「…雑音はうるさいけど、やっぱ聞いておかなくちゃなんない時だってあるんだよ。おまえにはノイズにしか聞こえないだろうけど、このノイズが聞こえるのって、今だけだから、あとからテープを巻き戻して聞こうと思ったときにはもう聞こえない。おまえ、いつか絶対、あの時聞いておけばよかったって後悔する日が来ると思う。」
(作中より)
忙しく暮らしていると、うまくいかないときもたくさんあるし、大切な人の声が疎ましく感じることも正直あります。
描いた理想からすれば、それらはノイズに当たるでしょう。
でも、そんなノイズも含めて僕たちの人生であり、未来です。
今、僕が高校生の甘酸っぱい青春が取り戻せないように、今感じていることは今しか感じられないはず。
良いことだっていやなことだって、見過ごすことは簡単だけど、取り戻すことはできない。
2018は、自分なりに体当たりできたつもりです。というかそれしかできなかった。
今年は、もう少し周りを見渡して、いやなことからも目をそらさずに、味わい尽くせたらいいなと思います。